私は昔、看護師をしていた頃、
患者さんが亡くなると白い薔薇を買ってきてお部屋を飾っていました。
自分の結婚式の時も、グリーンと白い薔薇だけのブーケでした。
白と
緑の組み合わせが今でも好きです。
白はいいな。でも・・・、
白い薔薇はいろいろと思い出してしまうな・・・
今日は8カ月ぶりに工房に顔を出してくれた方がいました。
工房を始めた時からの生徒だったOさん。
この春、働き盛りのご主人が突然のクモ膜下出血で亡くなってしまった。。。
急遽、社会人になったばかりの息子さんと一緒にご主人の会社を継ぐことになってしまった。。。
専業主婦だった彼女には全く予期していなかった出来事だった。もちろん、周りのみんなも、わたしも。。。
今日、あれから初めて、工房に来てくれた。
会社の来年のカレンダーを持ってきてくださった。
「先生、コレ、お家で使って。今、銀行の用事で近くまで来たものだから。ブログも時々見てますよ♪」とニッコリ
屈託なく笑うOさんは、顔も体も一回り小さくなってしまっていた。彼女には言わなかった。
私なんかには想像もできないほどの、とてもとても大変な毎日をおくってきたんだろう、、、。
今日も明日もあさっても、しばらく、きっとそうした毎日が続いていくのかもしれない。。。
私はご主人が倒れたという連絡をOさんからもらって、その数日後亡くなった事を知らず、お葬式は行けなかった。
他のご近所の生徒さんから、亡くなったことを数日後にきいた。
初七日あたりの夜に電話をした私は、私のほうが電話口で大泣きをしてしまった。
「ご主人が亡くなったの知らなくてごめんね、お葬式行けなくてごめんね。」と。
Oさんは電話口で涙声になることなく、経過をいろいろと話してくれました。
「もう、いろんなことが忙しくて、お父さんには悪いけど、亡くなってさっき初めてお線香をあげたの。
大黒柱を失う、ってこういうことなんだな、って。
あれから、こんなに誰かと話したのは初めて・・」と。30分ほど話をしていた。
そして最後に電話口で気丈に「やるしかないんだよね。何だかんだ言ってる余裕はないし、とにかくやらなくちゃ。先生ありがとね」と、お互い電話をきった。
私は電話を切った後も、Oさんのことを思うと涙がとまらず、泣きながら作業をしていた。
それから8カ月、ひとまわり小さくなったOさんは、帰り際、涙があふれそうになっていた。
本当はもっともっと、きっといろんな話がしたかったのかな。。。
「工房すずらん」はいつでもOさんが来ていい場所だからね。
また近いうちに寄ってね。遠慮しないでね。
来てくれてありがとう。
「すずらん」の花言葉は「幸せの再来」。 わすれないでね