Evidence

すずらん藤田

2007年05月17日 23:01

明日、午前中、入野の「ツインギャラリー蔵」さんで出張講座。
午後は、準備が出来次第、実家の刈谷へ。あさっての研修のために帰ります。

土曜日は名古屋の業者主催のステンドグラスの技術講習がある。
刈谷からはJR-地下鉄-名鉄を乗り継いで一時間ほど。

めったにないの機会なので参加。全国から8名が集まるらしい。
今日、その業者さんの担当者と話をしていたら、すべて女性。私が一番若いらしい。。。
足を引っぱらないようにせねば。。。

昨夜、研修の前準備として自分が今までパネルを作ってきて、経験値に任せていたところ、あいまいなところの洗い出し作業を行った。ノートに23項目もあがってきた。
カテゴリー別に分けて、もう少し、効果的に質問できるように整理しよう。
今までの確認作業も兼ねての参加ではあるが、おや?って思うことが結構たくさんあった。

ステンドグラスの世界は国家資格のような資格制度ではない。
簡単に言ってしまえば、誰でも工房を構えることが出来る。
私はまだステンドグラスをはじめて15年目にはいったところ。まだまだ、ひよこ。
年数が長けりゃいいってもんでもない。

「工房」とは名ばかりで、自宅の一室でチマチマと作ってる場合もある。
それとは反対に工房があり大勢の生徒を抱えていても、あれ?基本ができていない。。。と思うこともしばしば。他の工房からの「流れ組」の生徒さんの言葉や行動からわかる。

私は工房を始めた時、とても安易な気持ちで始めてしまった。
当時、体調がすぐれなかった私は「体調が良くなるまでのつなぎ」と考えていたからだ。
ステンドを長くやっているオバサマ方や他の工房の先生方からものすごいバッシングを浴びた。直接的に間接的に。同じ人、数人が、あちらこちらで私のことを言いまわっていた。
「あんな素人が何ができるの?」、「小物のすずらんさんね、あそこで習っていても小物しか作れないわよ」、「あんなところにお店を借りて、つぶれるのは時間の問題よ」、「あなたはいいわよね、ステンドがダメでも本業(看護師)があるんだから」などなど。。。ほんとうにたくさんのバッシングや嫉妬のようなものをひしひしと感じた。
でもそれらの言葉は、元来の私の負けず嫌いに火をつけた。

そんな中、浜松では“大御所”とささやかれている先生から
「藤田さん、お月謝をいただくということはどういうことか解る?それだけの技術が伴わないとダメなのよ。販売する、ということも同じ」と面と向かってハッキリといわれた。

とても有難い言葉だった。

ネット販売が横行している昨今、作って、ネットに載せてしまえば販売できるのだ。
安上がりの技術習得で、あちこちで委託販売をしている人もいる。まぁ、それはそれでよしとするが、本物の技術には根拠が伴っているものでなければならない、と私はおもう。
それなりの投資も必要である。安上がりの投資で簡単にステンドの世界に身をおこうと思ったら大間違いである。そういう世界ではない。
頭でっかちになる必要はないが、ちゃんと総合的にこなせなければ、所詮、見た目のちょっといい“趣味の世界”、“自己満足の世界”で終わってしまう。
とてもプロとはいえない。
販売をする、講習をする、教室をする、ということは そういうことだ。
バッシングされて当然だった。

資格制度を持たないステンド業界では、プロとしていかにやっていくか、これまでの実績や経験が大きく問われる。
職人としての技量、知識、姿勢が問われる。
人としても、人格が問われる。
厳しいことも言われるし、無礼な業者、非常識な人もたくさんいる。そうした波も超えていけるだけの度量も身につけないといけない。

医療現場にいた頃は私費で学会にもよく行った。
一回の学会で交通費、宿泊費、学会費などで給料の3分の1が消えた。
ステンドの世界もそう。

EBM(Evidence-Based-Medicine)ならぬ、
EBS(Evidence-Based-Stained glass)である。

「経験に勝る知識なし!」ですね。
もっともっと、ステンドのこと勉強しよう!

では、行ってきま~す♪

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